交運労協、カスハラ防止へガイドライン策定 観光産業での増加に対応
2022.05.30 00:00
全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、交通運輸・観光サービス産業におけるカスタマーハラスメント(カスハラ)防止ガイドラインの素案をまとめた。6月中に最終取りまとめの予定。これを活用し、各分野の実情に応じた効率的なガイドラインの策定を業界団体や企業に要請する。独自の調査では、コロナ禍の2年で迷惑行為や悪質クレームなどの被害経験が増加しているとの回答が57%に上った。防止策と発生した際のエスカレーションの抑止策の2本柱を備える喫緊の取り組みが必要と訴えている。
ガイドラインの骨格の多くは、厚生労働省が2月に公表したカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを参考にした。具体的には、消費者から受けた当該クレーム等がカスハラに該当するかどうかの定義・判断基準、企業が取り組むべき具体的な防止策の必要項目など。これと併せて、交運労協が昨年実施した悪質クレームに関するアンケートで浮き彫りとなったカスハラに悩む現場の声や事例を紹介している。業界におけるカスハラ対策の必要性や問題点などの理解促進が図れるようにした。
一方、航空機内での客室乗務員への盗撮等の性犯罪行為については、飛行中にどの都道府県の迷惑防止条例を適用するかの判断は事実上困難となる。だが、交運労協は「全国統一基準での対処を可能とする法整備が必要」との考えで、ガイドラインにも文言を盛り込んだ。
交通運輸・観光産業にはさまざまな業種・業態があり、サービスに対する考え方も異なる。一律的なガイドラインの策定は難しいものの、カスハラは許さない、従業員は守るという企業側の基本姿勢の明確化と万一の際の対応が求められている。
【あわせて読みたい】観光産業のカスハラ、コロナ禍で増加 交運労協調査 会社の対応には嘆き カスタマーハラスメント 顧客対応現場の守り方 2022年2月21日号>カスタマーハラスメント 顧客対応現場の守り方
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