日本発着クルーズ、再開見据え設定増 MSCに商船三井客船も セレブリティは全アジアで中止判断
2022.04.18 00:00

旅行会社が募集型企画旅行の販売を一部再開するなど、海外旅行が徐々に開けてきた。一方で再開の道筋が見えてこないのが国際クルーズだ。国土交通省の指針がまとまらず、ガイドラインの策定に至っていない。そんななか、規制緩和に期待をかけ、今夏の運航を計画する動きが目立つ。MSCクルーズが積極的で、邦船では商船三井客船が韓国寄港クルーズを投入した。
MSCは世界各地域ですでに再開し、21年に計100万人以上を乗せて安全に運航した実績から、日本での再開に前向きだ。旅行会社の販売動向を見ると、MSCベリッシマで7月中旬から日本発着クルーズを開始し、8月以降は旅行会社のチャーターも設定している。一例では、クルーズプラネット、エイチ・アイ・エス(HIS)、ベストワンドットコムが3社合同で8月2日横浜発の台湾寄港クルーズを設定。阪急交通社は通販番組のショップチャンネルと組み、8月16日から釜山に寄る日本一周を予定する。ジャパネットは9 ~10月に全船貸切で4本を設定している。
商船三井客船はにっぽん丸で7月12日発済州島クルーズを投入した。夏場は海外への需要が高い。昨年までと比べ感染状況の落ち着きや旅行業界の海外視察の動きもあり、そろそろ実施するタイミングと判断した。
ただ中止のリスクは伴う。いわば見切り発車だが、クルーズプラネットは「予約のほとんどがリピーターで、コロナ禍での振り替えが多い」といい、顧客側の理解は高いようだ。需要も旺盛で、同社は5月28日、都内でクルーズフェスティバルを3年ぶりに開催する。
一方、セレブリティ・クルーズは22年9月~23年4月の全アジアクルーズを中止した。規制と運航の不確実性を鑑み、困難と判断した。
【あわせて読みたい】今夏のクルーズ中止で関係者落胆 再開の壁高く 海事局「めど立たない」 訪日クルーズ寄港ゼロ続く 21年統計 国内運航は19.3%増 日本国際クルーズ協議会が発足 外国船や旅行会社加盟、事業再開へ一丸 国内クルーズ再開、まず短期から 「飛鳥II」11月開始
カテゴリ#海外旅行#新着記事
アクセスランキング
Ranking
-
ニセコ、訪日客の寄付金で課題解決へ 返礼品に体験型ご当地ギフト
-
訪日客増、石川で顕著も能登復興遠く 観光庁が復興計画を支援 地域の意向反映
-
客室利用率、東阪で明暗 12月速報値 10ポイント以上の開き
-
観光政策と気候行動の統合 バクー宣言が意味するもの
-
地銀2行、静岡・山梨周遊促進で連携 まずフィリピンの富裕層に照準
-
24年の国際旅行者は14億人 コロナ前に回復 フランス1億人超
-
『赤と青のガウン オックスフォード留学記』 プリンセスの体験談がめっぽう面白い
-
国際会議誘致・開催貢献賞に福岡市や岐阜市 JNTOが9件選出
-
東京観光公式サイトでチケット販売 歌舞伎や文化体験など 1週間先の公演も
-
HISと子会社、雇調金64億円返還へ 誤りと虚偽申請で 矢田社長「理解と指導が不足」