訪日クルーズ途絶え、20年12.6万人 日本船は秋以降回復
2021.02.15 00:00

20年にクルーズ船で日本に入国した外国人旅客数は前年比94.1%減の12万6000人となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う出入国制限措置の強化により、3月から外国船社の寄港が途絶え、年間でわずか66回と前年の1932回から急減したことが響いた。再開の見通しはまだ立っていない。
国土交通省の統計によると、訪日クルーズ旅客数は17年の252万9000人をピークに減少が続いている。市場の8割以上を支えていた中国発クルーズが18年以降、供給過多による価格競争の激化を背景に投入が抑制されていたことが一因。コロナの影響が及んでいない20年1月も外国船社の寄港は59回で、前年同月に比べ16回少なかった。
その一方で、日本船社の国内クルーズは昨秋から動き出している。20年の寄港回数は287回で前年から647回の減少。緊急事態宣言期間中の4 〜6月はゼロだが、瀬戸内海を巡るガンツウが7月から運航を再開し、10月から商船三井客船、郵船クルーズ、日本クルーズ客船の大手3社が加わった。11月は全社合わせて68回(前年同月比5回増)、12月は64回(同12回増)と回復が顕著となっている。
訪日クルーズの再開には、日本発着クルーズも含めた国際クルーズに関する船社や港湾の感染防止ガイドラインの策定が前提となる。外国船社側は春には運航を再開したい考えで、関係省庁との間で意見交換を行っていた。ただ、緊急事態宣言の再発出で入国制限が再び厳格化されるなど、状況は不透明さが増している。
再開に向けては、外国船社はテクニカルコールと呼ばれる乗下船を伴わない海外寄港形式も視野に入れており、海外の港からの訪日クルーズは当分先となりそうだ。
【あわせて読みたい】日本発着クルーズの再開 春の実現へ海外無寄港も視野 国交省、8港で寄港地観光の基盤整備 国際クルーズ再開に備え 国内クルーズ再開、まず短期から クルーズの未来を描く 回復の道筋と変化への備え
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