JTB、ソリューションモデル加速で人材業に本格参入 観光素材の一元予約基盤も
2020.01.27 00:00

JTBは旅行業モデルからソリューションモデルへの転換を図るための新たな施策として、人材サービスへの本格参入と観光素材を集約したプラットフォームの構築を打ち出した。オンライン流通の拡大などを背景にリアルエージェントの事業モデルは壁に直面している。旅行業をコアコンピタンスとしながらも一手段と位置づけ、旅行以外のソリューションの提供を加速させる。
髙橋広行代表取締役社長は、「さまざま課題に対し、JTBならではの価値を持ったソリューションを提供することが第3の創業の姿」とする。その1つが人材ビジネスだ。訪日客が増加するなか、サービスを提供する人材の確保が難しく、離職率も高いのがツーリズム業界の最大の課題となっている。同分野で豊富な知見を持つワールドホールディングスと昨年立ち上げたJWソリューションを通じて、必要な時に必要な人材の供給、高度な接客スキルを備えた人材の提供、人材にかかる業務の一括受託を柱に事業を本格化する。東京と大阪で開始し、全国に順次広げる。
もう1つの重点施策であるコンテンツ基盤づくりは地域の観光消費額の拡大が目的だ。訪日客の消費額は19年に4.8兆円と政府目標の20年8兆円にほど遠い。そこで各地域の体験、宿泊、食事、2次交通などの情報と予約・決済機能を一元的に提供できるようにし、消費に至るまでの工程を簡素化する。
髙橋社長はこれをTaaS(Tourism as a Service)と称し、「日本国内における圧倒的なコンテンツ・プラットフォーマーを目指す」と標榜した。スマートフォンアプリやOTA(オンライン旅行会社)とのシステム連携により供給する。グローバル市場にアクセスできるため、素材提供事業者の利益にも貢献すると見ている。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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