旅行系スタートアップへの投資額、10年で200億ドル アジアに集中

2019.12.16 00:00

 フォーカスライトがまとめた旅行系スタートアップ企業の現状に関する報告によると、19年までの10年間で旅行分野のスタートアップへの投資額は200億ドルに上った。こうした状況は、21年には50%以上に成長すると予想されているオンライン販売比率と密接に関係している。

 投資の大部分がアジア太平洋に向けられており、18年の旅行系スタートアップ投資の53%を占めた。また、19年第1四半期までの10年間の総投資額の60%を集めた。アジアは予約機能に焦点を当てているスタートアップにとって理想的な出発点となっている。依然としてデスクトップが根強い米国とは違い、モバイルの旅行サービスの利用が進んでいるためだ。中国やインドなどに理系出身者が多数いることも影響している。

 フォーカスライトの報告によると、法人旅行もスタートアップが躍進している分野だ。総投資額の40%がB2Bスタートアップに振り向けられた。非効率な法人旅行に目を付け、自動化や生体認証などを用いて、出張に関するエクスペリエンスを改革している。

 法人旅行スタートアップのトリップ・アクションの場合、企業価値は40億ドルに達した。同社は投資の30%を予約後のサポート機能に投じているのが特徴といえる。

 革新的なテクノロジーと人的サービスの組み合わせは、旅行者が求めている“スイートスポット”だ。B2Bビジネスの革新は最終的にはすべて消費者の利益のために行われているという事実を見逃してはならない。

※トラベルポート米国法人のサイモン・ファーガソン社長の寄稿


この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Read between the lines of travel startup funding to prepare for the future」

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