「近距離は鉄道利用を」 環境配慮へKLMが先進的取り組み

2019.10.28 00:00

来日したエルバースCEO(左)。環境に対する意識が高いオランダの企業らしい施策

 KLMオランダ航空(KL)のピーター・エルバース代表取締役社長兼CEOが創立100周年に合わせて来日し、持続可能な取り組みの強化やデジタル化の拡大を図る方針を示した。鉄道会社などと連携し、500km以下の路線で航空便以外の移動方法も視野に入れた路線計画を構築する。エルバースCEOは、「サステイナビリティーは安全性と並び、業界全体で取り組むべきテーマ」と語った。

 具体的には、20年3月から現在週5便で運航しているアムステルダム/ブリュッセル線を1便減便する。スキポール空港の地下に駅がある高速鉄道タリスと連携し、KLのチケットと同様に販売することで長距離線からのスムーズな乗り継ぎを提供する。

 また、さらなる二酸化炭素の削減を目指し、新たな航空機の導入やバイオ燃料の利用を促進する。バイオ燃料不足を解消するため、22年の完成を目指すオランダ国内の国内バイオ燃料プラントへの投資も発表している。

 デジタル強化の面では、ラインで顧客の質問に年中無休で答えるサポートを年内に日本市場に導入する予定。導入後は、航空券の予約や変更、チェックイン、座席指定、超過手荷物の手配などへのサービス拡大を目指す。