ダイナミックプライス問題、国内募集型IIT約款で対応
2019.09.23 01:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/0930_P06-1_R-1.jpg)
全日空(NH)と日本航空(JL)が20年4月から国内募集型企画旅行にダイナミックプライス(変動運賃)を適用するのに備え、JATA(日本旅行業協会)と全国旅行業協会(ANTA)は旅行会社が個別認可約款で取消料を規定できる枠組みを整えた。従来の個人型包括旅行運賃(IIT)に比べ、新運賃では発券期限や取消手数料の発生時期が早まるため、標準旅行業約款で吸収できないコストを消費者に転嫁する。航空会社の届け出を待ち、11月ごろから登録行政庁に申請できる見通し。
新IITでは、予約から3日以内の発券が求められ、NHが搭乗355日前、JLが330日前から取消手数料がかかる。一方、標準旅行業約款では、旅行開始日の20日前までは取消料を収受できない。新たに設定する国内募集型IIT約款では、航空会社の定める取消料を実費で請求し、20日目以降では、標準旅行業約款で規定する上限額と比べ高い方を請求できるようにする。
海外募集型企画旅行で導入しているペックス約款の概念を応用した。手数料額は取り消し時期によって異なるが、片道1区間当たり路線を問わず一律に設定される。募集型企画旅行では運賃額が開示されないが、航空会社には消費者が確認できる方法としてウェブサイト上で取り消し条件の記載を求める。
ツアー運賃のダイナミックプライス化で新たな対応を迫られるのが、広告のあり方だ。運賃が日々変動するため、旅行代金の表示が義務付けられている募集広告が困難になる。そのため、告知広告として目安額を示すにとどめ、問い合わせの都度、代金を案内する。
商品造成に加え、店頭販売も煩雑になる。顧客にわかりやすい案内が必要で、特に提携販売を行う旅行会社は大きな課題に直面している。
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