『「ブログ・SNS集客」のキホン』 ウェブ戦略見直しの参考に

2019.09.16 01:00

今城裕実著/同文舘出版刊/1500円+税

 相変わらずSNS全盛の時代である。フェイスブック、ツイッター、ライン、インスタグラム、Tik Tok(ティックトック)などなど、多くの企業も活用を試みている……けれど、うまいこと集客できているところのほうが少ないんじゃないかしら。とある旅行会社の公式インスタグラムを見たら、ザ・インスタ映えな美麗な旅写真(プロの撮ったストックフォト系)がずらりと並んでいて、うひゃっ、となった。

 うーん、そういうことではない。

 インスタだからインスタ映えする写真を載せれば、きれいな写真を集めたいフォロワーは増えるかもしれない。でもそれで旅心をそそるか、集客につながるかといったら、違うだろう。

 というわけで、たまにはビジネス書をご紹介。ウェブ活用アドバイザーによるウェブ集客のコツだ。起業家向けではあるが、わかりやすくて企業人にも役立ちそう。「最終的なゴールは、あなたの商品を買ってもらうこと」として、顧客とどんな関係を築きたいのかを考えて各ツールを使いこなすべし、と説く。そりゃそうだ。若い子にインスタが流行っているからって、お年寄り向けの商品をインスタでアピールしても意味ない。フェイスブック利用者はおじさんおばさんばっかり、と陰口をたたかれるが、シニア向け商品の情報発信はむしろフェイスブックでするべきだろう。各ツールの特性や使いこなし術、ウェブの文章の書き方、タイトルの付け方など「へえ」な話が多く、担当者には参考になりそう。

 ちなみに筆者が京都に来てからファンになったのは、MKタクシーの公式ツイッター。「中の人」自身やドライバーたちが撮影した写真をMKの最新情報、ツアー情報を交えつつ発信していて、実用的かつ自社の魅力も的確に伝えている。よろしければご参照を。

山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。

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