観光にもサブスクリプション、宿泊・レジャー施設を定額利用

2019.03.18 16:51

 契約期間中に定額でモノやサービスを使えるサブスクリプション方式が、観光・旅行分野に少しずつ広がっている。

 多拠点居住のサービスでは、リトルジャパンが「ホステルライフ」を昨年11月から開始した。日~木に1回2泊まで利用できる1年プランで月額1万5000円。全国各地の十数軒のゲストハウスが現在参画しており、周遊旅行などで活用されるケースもあるという。

 ホテルや空き家などを対象にした多拠点居住サービスが登場しているほか、福岡市のエスビージャパンは観光レジャー施設に自由に入場できる仕組みを6月に立ち上げる。これまで一般的だったデジタル分野だけでなく、飲食店や車、生活用品などに波及するなか、観光・旅行での可能性を模索する動きが活発化している。

 アドレスは月額4万円でリノベーションした空き家や別荘など11拠点に住み放題となる「ADDress(アドレス)」を4月から始める。手始めにユーザー会員30人を募っているが、すでに1000件以上の問い合わせがあった。シェアリングエコノミー事業者や全日空などと連携し、利用範囲の拡充を図る。

 エスビージャパンは月額2000円から観光施設などを利用できる「レジャー・ミー!」を6月をめどに開始する。カラオケや体験コンテンツなども加える方針で、現在約180施設が登録し、年内に全国1万5000施設を目指す。

 いずれも定額料金収入を施設と自社で配分し、施設には一定額や利用回数に応じた額を支払う仕組みだ。エスビージャパンの中元英機代表取締役社長は、「観光客の周遊性を高めることができ、利用データはマーケティングに活用できる。MaaSや民泊との連携も視野に入れたい」と話している。