ホテルの同一価格遵守規定に危機、ブッキング・ドットコムの格安販売で
2019.02.18 16:56

ブッキング・ドットコムは「ブッキング・ベーシック」を欧州にも拡大した。最初にアジアの掲載ホテルに導入した後、半年を経た試み。
ブッキング・ベーシックは、同社の販売価格を下回る格安な価格で販売されているホテルをブッキング・ドットコム掲載画面に自動的に登場させる機能。格安価格はホテルが自ら意図したわけではなく、ホールセーラーに卸す割引価格がホテル側の知らぬ間に第三者の販売業者に流出してしまっているためだ。通常の販売価格に対して11.7%安く、成約率を14.3%低下させているというから、ホテルにとって影響が大きい。
ブッキング・ベーシックでの販売はマーチャント方式による事前支払いを必要とする。リアルタイムで予約を確定できないため、リクエストに対して回答する形式を採用。確定するまで、実際に予約を扱う第三者の名前は明かさない。リクエストした客室を確定できない場合は払い戻しとなる。
ブッキング・ベーシック導入の意図は、ホテルと直接契約のない第三者サイトの格安価格をブッキング・ドットコムがあえて販売し、ホテルに価格の正常化を求めることにある。毒を以て毒を制する考えだ。
適用されるのは、格安価格の市場出現率が30%以上の場合となる。ホテルはホールセーラーに対して卸値の流出を止めさせ、自らはすべての予約チャネルで同一価格を提供するレートパリティーの遵守に注意しなくてはならない。
この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Are hotels on the verge of a parity nightmare?」
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