15年夏期日本発航空座席、90万席も視野に
2015.08.17 08:00

本誌がこのほど実施した15年夏期日本発航空座席調査で、国際線定期便の1週間当たりの提供座席数は、88万4591席となった。インバウンド需要を背景に力強い増加が続いており、90万席の大台も近づいてきている。
15年夏期の週間提供座席数は、前年同期比8.0%増の88万4591席となった。13年夏期以降、夏期・冬期ベースでは5期連続で過去最高記録の更新を続け、一本調子の右肩上がりだ。日本人出国者数の伸び率が毎月、前年割れとなる一方、最近では50%前後の伸びも見せる訪日外国人需要が、航空会社の増便意欲に拍車をかける。依然として東南アジア線・中国線が全体を牽引しているが、韓国線もようやく前年同期比がプラスに転じた。

今調査期間(15年6月1~7日)での乗り入れ航空会社数は79社とさらに増えた。14年冬期調査時に比べると、エチオピア航空(ET)、ジェットスター・ジャパン(GK)、天津航空(GS)、タイガーエア台湾(IT)、厦門航空(MF)の5社が加わり、日本路線を撤退したヴァージンアトランティック航空(VS)が姿を消した。GKは関西・成田/香港線を開設して初めて国際線に就航。MFは09年6月以来の関西/厦門線の復活で再び日本就航を果たした。
ローコストキャリア(LCC)による運航規模はますます拡大している。今調査期間ではGKとITを含めて計17社となり、その座席数は11万22席と初めて10万席の大台を突破。前年同期比は55.7%増と高い伸びで、シェアも12.4%に達している(実運航便数でのシェアは14.1%)。
路線別でトップシェアはアジア線だが、伸びの勢いはやや一段落。14年冬期までは6期連続で2桁増だったが今期は8.4%増と、全体の伸びとほぼ同水準となった。これに対して中国線は23.0%増と大幅な伸びを続け、14年冬期調査時で記録した過去最高記録を軽くクリア。中国南方航空(CZ)、中国東方航空(MU)、春秋航空(9C)等による関西・名古屋などへの路線増強の動きが目立った。3位の韓国線が前年同期比でようやくプラスに転じたのも今夏期の特徴。ティーウェイ航空(TW)、チェジュ航空(7C)による関西・那覇等への路線開設などもあって、4期連続のマイナスから回復を見せた。
ただし、4位の太平洋線は日本航空(JL)の関西/ロサンゼルス線、エア・カナダ(AC)関西/バンクーバー線の開設などがあったものの、前年同期比は3期連続のマイナス。このほかは、中東・アフリカ線を除き、いずれもマイナスだった。
空港別では、成田が前年同期の座席数をわずかに上回ったものの、シェアは40%台を割り込む結果に。羽田も座席数は2桁近い伸び率ながら、シェアは前年同期とほぼ変わらず。これに対して活発な動きが目立ったのは関西。旺盛なインバウンド需要を背景とする中国・韓国・台湾方面の新規就航・増便により、座席数の伸び率は2桁増となり、シェアも20%を超えた。このほか、福岡、新千歳なども座席数を伸ばしたが、なかでも那覇の勢いは衰えを知らず、11年冬期から8期連続で2桁増となっている。
航空会社別のトップ10は、1位JL、2位全日空(NH)、3位大韓航空(KE)、4位デルタ航空(DL)、5位チャイナエアライン(CI)、6位キャセイパシフィック航空(CX)、7位MU、8位ユナイテッド航空(UA)、9位アシアナ航空(OZ)、10位中国国際航空(CA)の順。前年同期比で2期連続マイナスのJLはかろうじて首位を保ったが、2位のNHはグループのエアージャパン(NQ)と合わせるとJLを上回り、実質的にはNHがJLを抜いてトップに立ったことになる。なお、6位までの順番は14年冬期と変わらないが、MUが9位から7位に浮上し、UAとOZがそれぞれ順位を1つずつ下げた一方、TGに代わってCAが10位にランク入りした。
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