JTB、4期ぶり1兆円の大台回復 24年3月期 営業減益も利益率上昇
2024.06.03 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2024/05/ec91071a06cebafc753bea3321bcbdf1-874x1024.jpg)
JTBの24年3月期連結決算は、売上高が前期比10.5%増の1兆809億円と4期ぶりに大台を回復した。営業利益は人的投資などで25.9%減の249億円、純利益は38.9%減の183億円となったが、山北栄二郎代表取締役社長は「攻めの減益」と捉える。成長から飛躍のフェーズに入る今期も人的投資などを続け、売上高1兆1620億円、営業利益116億円と予想している。
「ようやく戻ってきた」。山北社長は心情を吐露した。原価を差し引いた売上総利益は3.3%増の2629億円。単価上昇と高付加価値型商品が後押しした。コロナ禍前の20年3月期に比べ損益分岐点は25%低下し、利益を生み出しやすい収益構造となった。
支えたのは、MICEや商事など旅行外ビジネスだ。売上総利益に占める割合はコロナ禍前の18%から37%に上昇し、利益率は30.6%と旅行事業の21.7%を上回り、その差が拡大した。
MICEは新型コロナ関連を除いても売上高がコロナ前を5.6%上回る736億円に拡大した。海外企業の動きが活発で、国内企業も社員・取引先向けイベントや報奨旅行が増えている。
一方で旅行事業は、20年3月期に売上総利益約1000億円と稼ぎ頭だった海外旅行がまだ4割しか戻っていない。回復が今期最大のテーマとし、現在23店舗にある海外旅行専門デスクをさらに27店舗に設置。意欲を喚起するプロモーションも強化する。
コロナ禍を経て、旅行は体験型に移行している。成長領域と見るのが、メジャーリーグベースボール(MLB)の開幕戦で好評を博したホスピタリティープログラム。MLBとの国際パートナーシップ契約を生かし、レギュラーシーズンで実施するほか、音楽や文化イベントにも広げる計画だ。
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