ホープツーリズム参加団体が最多に 福島への学びの旅、企業研修が増加

2024.05.20 00:00

 福島県が16年度から推進してきたホープツーリズムの参加団体(件数)が23年度に過去最高の396件となった。昨年5月に富岡町にサポートセンターを設置するなど支援体制の強化により、企業の研修など一般団体が65%増えたことが主な要因。教育旅行は1割減少したが、一般団体が初めて件数で上回り、下支えした。

 ホープツーリズムは地震・津波・原子力災害という複合災害を世界で唯一経験した福島の復興への姿を見てもらい、持続可能な社会や地域づくりにつなげる学びのツアー。20年度まで参加団体は2桁で推移していたが、21年度から伸び、22年度は300件台に急伸。23年度はさらに24%増えた。

 県観光物産交流協会が運営するサポートセンターを中心に関連施設・企業等との連携が進み、柔軟で幅広いニーズに対応できるようになった。それまでの見学先は定番コースが多かったが、探求型のスタディーツアーを手掛ける関連事業者等との連携で、メニューが拡大した。サポートセンターでは半日から2泊3日のモデルコースなどを用意し、津波と原子力災害の被害を受けた浜通りを中心に観光・学習コンテンツを組み合わせたプログラムの企画・実施を支援している。

 一方で教育旅行が減少したのは、コロナ禍の期間中に行き先を福島県に変更していた学校が、23年度には従来の訪問先である沖縄・北海道・海外等に戻したことによる。人数の多い教育旅行の減少が響き、全体の参加人数は7%減の1万6476人となった。

 ホープツーリズムに関連した企業の取り組みでは、岐阜県が本拠地の浅野撚糸が双葉町に工場を開設した背景や浜通りの復興に向けたワークショップと施設見学などが行われている。

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