旅行業の倒産、低水準で推移 1~10月動向 負債総額は増加
2023.11.20 00:00
東京商工リサーチ(TSR)によると、旅行業の負債額1000万円以上の倒産は1~10月に16件となり、前年同期から2件増えたものの、低水準で推移している。ただし、過去20年で最少となった22年同期を上回っており、わずかに増勢の兆しが見えるという。
負債総額は20億4700万円で、前年同期を37.8%上回った。6月のotomoの倒産(負債総額2億3100万円)などが全体を押し上げた。otomoはガイドが案内するプライベートツアーの提供をはじめ、観光事業関連のコンサルティングを手掛けていたが、先行投資がかさんだほか、コロナ禍で訪日ツアーの休止を余儀なくされ、業績が大幅に悪化。債務超過に陥っていた。
TSRはインバウンド需要の回復で旅行業界全体に明るい兆しはあると見る。ただ、実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化するなか、資金繰りに苦慮する旅行業者はいまだ多く、そうした企業を中心に倒産件数は増勢に転じる可能性があると指摘している。
宿泊業の倒産は1~10月に68件で、前年同期を3件上回ったが、負債総額は195億7300万円で9.0%下回っている。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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