大手外資系ホテル、地方で火花 アコー23軒一挙開業 マリオットも加速

2023.11.13 00:00

事業を発表するアコーアジアのシモンズCEO(右端)と大和リゾートの真柳宏二代表取締役社長(左端)

 仏大手ホテルチェーンのアコーは24年4月、国内の地方都市に上級ブランド「グランドメルキュール」12軒と中級ブランド「メルキュール」11軒を開業する。大和リゾートがロイヤルホテルなどの名称で展開してきた施設を改装のうえリブランドし、運営受託で一斉開業する大型プロジェクトだ。外資系大手チェーンでは、米マリオット・インターナショナルが積水ハウスと組み、全国の道の駅周辺でホテルの開業を進めている。地方誘客の流れに乗って、外資系による事業拡大が加速しそうだ。

 アコーは大都市から少し離れた場所にある立地を逆手に取り、「#はなれ旅」をキーワードに地方への旅行を提案する。オーバーツーリズムが課題となるなか、観光地として注目されていない穴場への旅行を促すアンダーツーリズムの一環と位置付けた。

 アコーは昨年、豪州でも20軒をリブランドによって開業し、アジア太平洋で急速にネットワークを拡大している。アコーアジアのガース・シモンズCEOは「日本国内で3番目の国際ホテルチェーンになり、存在感が増す」と意気込む。千葉県南房総市、山梨県北杜市、鳥取県伯耆町を皮切りに、立地するすべての自治体と包括連携協定を結ぶ予定で、地域ならではの体験を提案していく計画だ。

 一方、マリオットは11月6日、熊本県で道の駅阿蘇に隣接する「フェアフィールド・バイ・マリオット・熊本阿蘇」を新規開業した。これで積水ハウスとの地方創生事業で展開するホテルは14道府県29軒目。20年のスタートから3年間、急ピッチで拡大してきた。ホテルは宿泊特化型で、食事は道の駅や地域の店を利用する形態。地域に誘客し消費を促す。25年までに26道府県に規模を広げる。

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