要因は法的観点の認識欠如 阿波おどりのプレミアム桟敷席問題
2023.09.11 00:00
徳島市の阿波おどり会場に設置されたプレミアム桟敷席が建築基準法に違反していた問題で、主催者の阿波おどり未来へつなぐ実行委員会と、プレミアム桟敷席を企画しチケットを販売したアソビューは、根本原因は建築基準法に関する十分な専門知識を持ち合わせていなかったことだとするお詫びと調査報告を公表した。建築事業者を含む3者は、法的観点の認識の欠如により、市から建築基準法に基づく検査済証が交付されないまま建築物を使用することが建築基準法違反であるという認識ができていなかったとしている。
1人20万円で販売されたプレミアム桟敷席のやぐらは、事前に市から確認を得ていた設計とは異なり、手すりの高さや外階段の幅などが不足していた。市の検査で指摘を受けて一部は修正したが、外階段の幅と段差は必要な部材が調達できず修正できなかった。そのため誘導スタッフの配置や照明の設置といった独自の安全対策を追加したものの、再度検査を受けて検査済証を取得する手続きを経ずに、違法状態のまま運営した。
アソビューは再発防止策として、社内に知見がない事業を実施する場合、第三者の専門家を登用し、ガバナンスを強化するとしている。また、桟敷席購入者に全額を返金する。同事業は観光庁が実施する観光再始動事業に採択されているが、観光庁は補助金交付の取り扱いに関し、審査を行っている。
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カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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