KNTの過大請求、委任契約の知識不足に一因 請負契約と違い
2023.06.12 00:00
KNT-CTホールディングスは決算発表と同じ6月1日、近畿日本ツーリスト(KNT)の過大請求事案に関し、警察による捜査を受けていることを明らかにした。米田昭正代表取締役社長は組織ぐるみの詐欺行為を否定する一方、受託事業の契約に関する知識不足、営業ノルマへの意識を要因に挙げた。
特に契約に関する知識不足は、かねてからKNTも受注型企画旅行と同じ感覚で受託事業を手掛けていたことが結果的に不正を招いたと説明している。
米田社長によると、コロナ禍で最初に手掛けた10万円の臨時特別給付金の配布事業は請負契約だったが、ワクチン関連業務は委任契約に切り替わった。請負契約が成果を達成すれば工程を問わないのに対し、委任契約は業務を行った時間や工数に対価が支払われるという違いがある。この認識不足に加え、「数量発注に変わったことに途中で気付いたが正そうとしなかった」(米田氏)ことが要因と述べた。
6月1日時点で過大請求分を返納したのは3自治体。そのうち大阪府は24年5月までKNTの入札参加を停止した。
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カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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