近鉄HD・KNT-CT、過大請求で社長内定取り消し 再発防止へ対処

2023.05.01 00:00

KNT-CTは米田社長(右)から小山専務に経営のバトンを渡す予定だった。写真は社長交代発表会見の様子

 近鉄グループホールディングス(HD)とKNT-CTホールディングスは4月25日、内定していた社長人事を取り消した。両社は3月24日、近鉄HD の代表取締役社長にKNT-CTの米田昭正社長が、KNT-CT社長には同社の小山佳延代表取締役専務が昇格する人事を発表していた。

 近畿日本ツーリスト(KNT)で新型コロナウイルスワクチン関連業務の過大請求が発覚したことを受けた措置。現経営トップがガバナンス体制の強化など再発防止策を図ることを理由に挙げている。

 KNTの過大請求は、東大阪市のほか、静岡県の焼津市と掛川市でも発覚。観光庁の和田浩一長官は「大手旅行会社としてコンプライアンスの順守ができておらず、極めて問題」などとし、事実関係の調査と改善策の検討を直接指導していた。

 なお、近鉄HDは新たに都司尚グループ執行役員(近畿日本鉄道社長)を社長とする人事も発表した。都司氏は会長に就任する予定だった。米田氏は非常勤の取締役とし、いずれも6月に開催予定の定時株主総会・取締役で正式に決定する。

【あわせて読みたい】KNT、ワクチン業務で実績改ざん BPO事業好調の矢先 2.9億円過大請求

関連キーワード