東京都がMICEの新目標、国際会議件数で世界3位内 誘致やCO2対応を強化
2023.02.06 00:00
東京都はMICE誘致戦略を見直し、都で開催される国際会議の件数を30年に世界3位内に引き上げる目標を掲げた。国際的な誘致競争が活発になっており、23年度予算で前年度を約12%上回る約41.6億円を投じ、プロモーションや主催者への支援策を充実させる。競争力を高め、コロナ禍で傷んだ都内産業の回復を後押しする。
UIA(国際団体連合)の統計に基づくと、都はすでに世界3位でピークの18年は325件が開催された。しかし、世界の状況がより反映されるICCA(国際会議協会)の統計では10位131件。上位国と大きな開きがある。
企業系会議や報奨・研修旅行の主催者を直接訪問する海外セールスなど、実効性の高いプロモーションに力を入れる。国際本部が集まる海外都市に情報収集や誘致活動の拠点を置くことも計画している。
コロナ禍で主流となったオンラインでの開催やハイブリッド形式は、参加費の減少につながる課題が指摘されている。しかし、都は参加者層を広げるメリットを捉え、デジタル技術や設備の導入に必要な経費を助成する。
環境に配慮した体制づくりも急ぐ。大規模MICEでは大量の二酸化炭素(CO2)排出につながる可能性が高い。開発中の排出量予測ツールを活用して主催者を支援するほか、サステナブルな視点で参加者向けの体験コンテンツを造成するなど、世界での取り組みの遅れを解消する。東京観光財団内にサポートの窓口を置き、環境分野に精通した専門家が助言する体制も構築する。
課題の1つがMICE に対する関心の低さだ。事業者や住民が一体となって誘致に取り組む機運の醸成が重要で、MICEの意義について理解を深める場を設けていく。
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