21年度の修学旅行、中止は大幅減 日修協調査 コロナ禍でも時期変更して実施

2022.11.14 00:00

 新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けた修学旅行が徐々に回復している。21年度に中止した中学校・高校は前年度に比べて大幅に減り、大半は時期などを変更して実施していたことがわかった。日本修学旅行協会のアンケートから浮き彫りとなった。

 全国の国公私立の中学校895校、高校933校から回答を得た。中学校での中止は15.8%(20年度は51.5%)にとどまり、実施が83.5%に達した。20年度は48.6%だった。実施のうち、計画どおりは6.6%と少なく、当年度内への変更が71.0%と大多数。翌年度への変更は5.9%だった。

 高校での中止は27.1%(20年度61.4%)に減少。計画どおり実施と時期を変更して実施は計68.7%と、20年度の36.4%から改善した。中学校とほぼ同様の傾向だが、行き先が国内の場合は計画どおりもしくは変更し、海外は中止したケースが4.2%を占め、中学校より多かった。

 国内修学旅行の都道府県別行き先トップ5は、中学校で京都、奈良、山梨、長野、三重の順。高校は長崎、大阪、京都、福岡、沖縄の順だった。

 実施状況には回復が見られるものの、コロナによる影響への懸念は引き続き少なくない。今後の修学旅行・教育旅行に影響を及ぼすかについて、中学校では「ない(コロナ以前に戻る)」の新14.6%に対し「ある」は63.9%、高校は「ない」の16.1%に対し「ある」は53.1%となった。具体的な影響・変化ではいずれも、感染症対策を取り入れる、実施時期の見直し、国内の異なる方面への変更が上位となった。

 修学旅行以外の海外教育旅行の再開では、中学校で82.2%、高校で82.1%がコロナ収束後に再開意向ありと答え、前向きな姿勢が見られた。

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