20年度の修学旅行、過半数が中止 行き先も変化 海外教育旅行は再開意向にばらつき

2021.11.22 00:00

 コロナ禍に見舞われた20年度における中学校・高校の修学旅行は過半数が中止となった。実施した学校も、そのほとんどが当初計画から何らかの変更を余儀なくされた。行き先は感染リスクなどから大都市部が敬遠される一方、自然・環境学習に重点が置かれたことで、そのニーズに合った方面の人気が急上昇したようだ。

 日本修学旅行協会が実施したアンケートで明らかになった。全国の国公私立の中学校1046校、高校1147校から回答を得た調査では、当初計画と実施状況について回答した中学校のうち「中止」は51.5%、「変更」は47.2%、「変更なく計画どおり実施」は1.4%。高校は「中止」が61.4%、「変更」は34.3%、「変更なく計画どおり実施」は2.1%などとなった。

 国内修学旅行の都道府県別行き先では、中学校は1位京都、2位奈良、3位山梨、4位北海道・長野となった。19年度と比べて1位と2位は変わらないが、3位だった東京はトップ20にも入らず、大阪、千葉も大きく順位を下げた。自然・環境学習に重点を置く傾向が強まったことなどで旅行先が変化した。

 高校の行き先は1位長崎、2位沖縄、3位広島、4位大阪、5位北海道・兵庫の順。前年度4位の東京と6位の千葉はトップ20圏外となり、感染者の多い都市部を避ける傾向が見られた。

 調査では、修学旅行以外の海外教育旅行についても尋ねた。「再開意向あり」は中学校で40.4%と低く、高校は62.2% だった。ただし中学は私立の76.1%で再開意向があるのに対し、国公立では70.1%が再開意向なし(一時的を含む)とその差は大きい。高校は私立と国公立で再開意向の差はさほど大きくなかった。

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