1~7月の国際旅行者、前年の2.7倍 UNWTO統計 回復時期見通しは悪化
2022.10.10 00:00
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国連世界観光機関(UNWTO)によると、世界の観光は引き続き回復の兆しを見せており、1~7月の国際観光客到着数は推定4億7400万人で、前年同期に比べ172%増となった。コロナ禍前の19年同期に比べると43%減のレベル。UNWTO は着実な回復は渡航制限の緩和や解除だけでなく、海外旅行への強い需要の表れだとしている。
到着数の動向を地域別に見ると、ヨーロッパと中東が全体の回復をリードしている。ヨーロッパは前年同期の約3倍(190%増)、中東は約4倍(287%増)に増加。19年同期に比べて、それぞれ26%減、24%減のレベルまで戻った。米大陸(103%増)とアフリカ(171%増)も力強い伸びで、19年同期の35%減、40%減に達した。
アジア太平洋は165%増となったものの、一部の国境が不要不急の旅行に対して閉鎖されたままのため、19年同期比86%減にとどまっている。
IATA(国際航空運送協会)によると、1~7月の国際線旅客数は前年同期比234%増、19年同期比45%減にまで回復した。しかし、予想を上回る需要は、観光事業者やインフラ、特に空港において、労働力不足などによる重要な課題も引き起こしている。さらにウクライナへのロシア侵攻によって悪化した経済状況は、大きな下振れリスクを表している。
UNWTOの観光専門家パネルも将来の見方には慎重になっている。不確実な経済環境により、23年に19年レベルに戻るという見方は5月調査時の48%から9月調査時では27%へ大幅に減少。インフレと原油価格の高騰で輸送費と宿泊費が上昇し、消費者の購買力と貯蓄が圧迫されていることが要因。40%が回復時期を24年とし、21%は25年以降と予測した。
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