21年度の旅行業者取扱額40%増 2年ぶり1兆円台 コロナ前の3割水準

2022.06.06 00:00

 観光庁がまとめた主要旅行業者45社の21年度(21年4月~22年3月)の総取扱額は前年度比40.8%増の1兆3967億7419万円と2年ぶりプラスとなり、1兆円台を回復した。依然としてコロナ禍の厳しい影響を受けながらも国内旅行が全体を牽引。海外旅行は募集型企画旅行が再開できないなかで手配旅行の取り込みが図られ、外国人旅行は東京五輪の選手・大会関係者需要等により、ともにプラスとなった。ただし、19年度に比べると、回復度合いは30%にとどまる。

 国内旅行は35.2%増の1兆2747億1169万円。第3四半期は前年にGoToトラベルキャンペーンが全国展開されたことの反動で6.4%減となったものの、それ以外の四半期はプラス。需要が急減した前年からの反動に加え、県民割も一定の効果を発揮したとみられる。19年度比で回復は50%水準だが、第4四半期は8.1%増となった。ただし、募集型企画旅行に限ると、年度を通じて前年を15.2%下回った。

 海外旅行は前年度比80.7%増の733億435万円となったものの、19年度比95.9%減と低迷が著しい。外国人旅行は437.8%増の487億5814万円。五輪特需で高い伸びとなり、開催期間の第2四半期の取扱額は前年の17倍にも達した。ただし、オミクロン株の感染急拡大により水際対策が強化された第4四半期は3.9%減と、それまでのプラスから再びマイナスに転じた。

 企業別では45社中34社が総取扱額で前年度を上回った。上位10社の顔ぶれは変わらず、トップ5はJTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、阪急交通社、ジャルパックの順で同じ。しかし、エイチ・アイ・エス(HIS)は19年度の2位、20年度の8位から21年度は10位へさらに順位を下げた。

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