関西経済同友会、舟運の活用を提言 クルーズで関西の広域観光模索
2022.05.23 00:00

関西経済同友会は関西圏西方への広域観光の実現を図ろうと、大阪湾・瀬戸内エリアでのクルーズ事業拡大に向けた提言をまとめた。瀬戸内海には観光資源として世界的評価の高い多島美の風景が広がっており、大阪・関西万博やIR(統合型リゾート)開業を機に同エリアが注目されることで、クルーズ事業への機運も高まると踏んだ。舟運を活用した西方・広域への送客は、関西空港から京都・東京へ向かう東方のゴールデンルートへの需要の偏りや、特定地域で生じるオーバーツーリズムの解消にも役立つと期待する。
クルーズ事業の拡大に向け、大阪湾と淡路島をつなぐ観光航路の構築を提言した。第一歩として、万博会場となる夢洲と関西空港、神戸港、淡路島などの交通結節点と観光拠点を結ぶ周遊ルートが考えられるとした。その際には、鉄道やバスなど地上交通との連携が移動手段を補完するために不可欠であることも指摘した。大阪湾内に加え、大阪市内さらには京都へとつながるリバークルーズ、播磨灘や小豆島まで範囲を拡大した事業展開を目指す。
クルーズ事業推進の両輪となる寄港地周辺の観光整備も不可欠で、地域特有の産業を観光資源として活用した施設が必要と指摘。クルーズのアクティビティーを豊かにするためには新たな観光コンテンツの掘り起こしが求められ、特に船でしか体験できない風景、船でしか行けない場所のつくり込みが重要だとした。
関係者が広く連携して実現していくための組織として、大阪湾・瀬戸内舟運活性化推進協議会(仮称)の設立を想定。舟運、鉄道、バスなどの交通事業者を含む観光ポータルサイトを立ち上げ、情報の共有・連携を図る青写真を描いている。
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