原優二氏、かもめの全株式取得 海外再開に備え社員維持、風の旅行社とのシナジー求めず
2022.01.17 00:00

風の旅行社やピースインツアーを経営する原優二氏は12月29日付で、婚活支援サービスのIBJから旅行子会社かもめの全株式を取得した。かもめは北欧や中南米を主に手掛ける1990年設立の海外専門旅行会社。16年12月にIBJが傘下に収めたが、コロナ禍の影響で事業ポートフォリオを見直すなか、雑誌広告事業を手掛ける子会社とともに他に売却することとなった。あくまで原氏個人による株式取得で、経営する2社との一体化などは想定していない。買収額は非公表。
かもめは当時のオーナーが次世代への事業承継を模索するなか、ネット簡潔型婚活サービス会社として成長の一途をたどっていたIBJに全株式を譲渡。IBJは婚活者の自分磨きの旅やハネムーン需要などシナジーを見込んだ。だが現在、コロナ禍で海外渡航が制限され、ほぼ休業状態を余儀なくされている。IBJは回復に時間を要すると見て、価値存続のためにも、旅行業に豊富なノウハウと事業基盤を持つ原氏の下で成長を目指すのが最善と判断した。
原氏はかもめを「優良企業であり、確実に利益を上げることのできる会社」と評価する。事実、IBJの買収以前から黒字経営で、19年12月期は売上高35億9100万円、経常利益5200万円。コロナ禍が直撃した20年12月期こそ赤字に転落したものの、原氏は「いまは来るべき海外旅行の再開に備えてじっと絶える時期」とみる。目下の状況に鑑み、出資形態は個人のほうがリスクが少ないと判断した。
IBJと役員を兼ねていた社長含む役職者2人を除き、社員はそのまま雇用を継続し、国内外の拠点も維持する。新たな社長には柳田正弘取締役が就任した。原氏はオーナーに徹するという。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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