20年の余暇市場、コロナ禍で在宅レジャー増加 旅行・外食は大幅縮小

2021.10.11 00:00

 コロナ禍の影響で人々の余暇の過ごし方が様変わりしている。公益財団法人日本生産性本部の余暇総研が20年の余暇活動状況をまとめたレジャー白書2021によると、19年に1位と2位だった国内観光旅行と外食の参加人口が大きく減少し、代わって動画鑑賞が初の首位になるなど、在宅レジャーが上位を占めた。動画鑑賞は390万人増の3900万人となり、8位から一挙に1位に急上昇。2位は読書(前年3位)、3位は音楽鑑賞(同7位)でトップ3はいずれも在宅レジャー関連だった。

 ウオーキングやSNS などデジタルコミュニケーションも順位が上昇した。一方、これまで中心的な余暇活動だった国内観光旅行は2010万人減の3390万人で4位、外食は1020万人減の3330万人で6位。このほかドライブ、映画など、外出を伴う多くの活動が順位・参加人口とも前年を下回った。

 余暇関連の市場規模は前年比23.7%減の55兆2040億円で、近年の増加傾向から大幅なマイナスに転じた。市場規模が突出して大きいパチンコ・パチスロを除くと22.4%減で、7年続いたプラス成長からのマイナスとなった。

 特に大きな影響を受けたのが観光・行楽部門で43.7%減。移動制限等の影響で海外旅行は90%以上の減少。国内観光も総じてマイナスが大きく、航空、鉄道、バス、旅行業、ホテル、旅館、遊園地・レジャーランドなどは大きな打撃を受けた。

 なお、GoToトラベルキャンペーンとGoToEatキャンペーンの影響を利用経験者に聞いた結果は、「キャンペーンがなければ行動しなかった」「行動の後押しになった」との回答の合計がそれぞれ75.8%と77.3%となった。ともに4分の3程度の利用者の行動に影響を与えたことになる。