21年度観光庁予算、4割減の408億円 旅客税収入減響く 新旅行形態やサービス革新に重点
2020.12.28 00:00
政府が閣議決定した21年度の観光庁予算は前年度比39.9%減の408億7400万円となった。出国者の減少に伴う国際観光旅客税収入の充当分が半減することが主な要因。ただし、20年度第3次補正予算で約650億円を確保しており、これと合わせて重点施策を推し進める。新規事業となる観光産業の再生と新たな旅のスタイルの普及・定着のほか、滞在コンテンツ造成、受け入れ環境整備やインバウンドの段階的復活を3本柱とした。
新たな旅のスタイルでは、ワーケーションなどに対応する地域の受け入れ環境と滞在型コンテンツの整備に5億円を割く。企業や旅行者への啓発に努め、モデル事業を展開する。宿泊施設を核とした地域の新たな事業展開支援には1億円を確保した。補正予算の目玉として約550億円を投じる既存観光拠点の再生事業と絡め、宿泊施設の改修や複数で飲食施設などを共有する連携を促す。コロナ禍で低迷する需要の回復を加速するため、日本人の旅行に関する意向の変化も調査し、施策立案に役立てる。
滞在コンテンツの造成事業では、8億円を投じてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による観光サービスの変革に新たに取り組む。一例は自律走行や指向性スピーカーなどを活用した鑑賞環境づくり。また、消費拡大策として、欧米富裕層が支持するアドベンチャーツーリズムに12億円を投じ、モデルツアーを支援する。
アウトバウンド関連では、教育旅行を通じた国際交流の促進に2倍の2000万円を確保した。協議体を設置し、学校や保護者が安心して実施できる旅程を検討。決定の判断材料となる情報ツールを作成し、観光業界と連携して啓発活動を展開する。
【あわせて読みたい】観光庁第3次補正予算1.9兆円 20年度観光庁予算681億円 観光庁概算要求、33%減の458億円
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