訪日旅行、小規模管理型ツアーで地ならし 政府の観光需要回復政策プラン
2020.12.14 00:00

政府は感染拡大防止と観光需要回復のための政策プランをとりまとめ、訪日旅行の回復に向けた段階的取り組みとして、小規模分散型パッケージツアーの試行を柱の1つに打ち出した。感染状況が落ち着いている国・地域を対象に防疫措置を徹底・管理する形で実施し、本格再開に備える。政策プランは、感染防止対策や需要平準化と併せたGoToトラベル事業の延長、観光施設の再生に向けた補助制度の新設も目玉とし、12月8日に閣議決定した国の経済対策に盛り込まれた。
管理型ツアーは業界団体がかねてから提案していた。JATA(日本旅行業協会)とANTA(全国旅行業協会)の提案資料では、ビジネストラックに準拠して出国前や空港でのPCR検査、活動計画書等の提出、接触確認アプリのダウンロード、14日間の公共交通機関不使用などを要件とし、発地国・地域からの添乗員と日本側の全国通訳案内士が同行し、旅程や顧客の管理を徹底する枠組みだ。他との接触を避けるため、移動に専用車を使う。ツアーの規模や開始時期など詳細は今後詰める。
GoToトラベルは実施期間を約5カ月延ばし、6月末までとする。需要回復が遅れている中小事業者や被災地に配慮した運用とすることに加え、旅行の時期や場所を分散して混雑や密を低減させる。専用のロゴやウェブサイトを設け、分散型旅行のイメージや事業者の取り組みを紹介するキャンペーンを開始した。より多くの事業者の参画を促し、認知を高めて機運を醸成する。
制度面で手厚いのが観光施設の再生だ。地域が策定する観光拠点再生計画に基づく100程度の計画区域で施設改修にかかる費用の50%を補助する。廃屋の撤去も支援し、観光地の景観改善を一挙に推し進める。
【あわせて読みたい】観光目的の往来「五輪が指標」 JATA調査、訪日再開希望は五輪前までが約8割
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