鋳物メーカーの能作、地域限定旅行業で上質な体験ツアー
2020.09.28 00:00

1916年創業の老舗鋳物メーカーとして知られる能作は地域限定旅行業登録を取得し、伝統工芸や地域の食文化を伝えるツアーの企画・販売を始めた。本社を置く富山県高岡市とその周辺の宿泊・飲食業者と連携し、体験を通じて県外に広く発信する。第1弾として9月13日、カップル向けに「想い旅」を発売した。
ものづくりの心や文化を伝えようと17年に産業観光部を新設し、工場見学や製作体験の産業観光を本格化。年間13万人を受け入れる。19年には結婚10周年を祝う錫(すず)婚式のプランとして本社・工場内での挙式や食事、体験をセットにした試みも開始し、県内外から1年間で45組が利用した。その過程で参加者から宿や食事、アクティビティーに関する相談が多く寄せられていたという。自らパッケージを手掛けることとし、4月に旅行業登録を行った。
こだわったのは上質な体験だ。想い旅では、能作の錫の器で地元食材を使った食事を提供し、工場見学や錫の箸置づくり体験を盛り込んだ。宿泊は、南砺市井波エリアの古民家をリノベーションした宿「ベッドアンドクラフト」を1棟丸ごと貸り切る。井波は彫刻の町で知られ、職人の作品に触れながら工房でものづくりを体験するなど、趣向を凝らした。
1泊2日の旅行代金は2人で計22万円。GoTo トラベルキャンペーンを適用しても19万2000円と高価格帯だが、同社は首都圏に直営店を構えるなど県外でも知られた存在で、上質なものを求める層の支持が厚い。「発売1週間ですでに問い合わせがあり、ニーズを実感している」(能作千春専務取締役)といい、まずは50組程度の取り扱いを目指す。
今後はシニアや子供が楽しめるプランも計画している。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#地域限定旅行業#新着記事
アクセスランキング
Ranking
-
緊急事態宣言で営業縮小再び 店舗休業やツアー中止、販売は仮想体験や春に照準
-
ワクチン接種義務は得策なのか
-
MICE業界再興へ方向性 ICCA部会の国際会議「ハイブリッドで収益拡大」
-
日旅、非旅行業分野の開拓強化 新事業展開やDX加速へ組織改正
-
キーワードで占う2021年 GoTo後の喚起策から地域振興DXまで
-
主要旅行業者の10月取扱額65.7%減、GoTo東京追加で国内大幅改善
-
白馬に煙のないゲレンデ誕生、喫煙所を加熱式たばこ専用室に
-
IATA調査、旅行需要回復は11月から停滞 国際旅行者88.3%減
-
新潟・粟島浦村がガバメントクラウドファンディング、定期航路の存続へ
-
東武トップツアーズ、社会課題解決型営業を強化 公務案件の受託拡大