蒲生観光庁長官「6000万人追い求める」 就任後初会見、グローバル視点の新発想で舵取り
2020.08.31 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2020/08/0907_P06-01_R.jpg)
観光庁の蒲生篤実長官は8月21日、就任後初となる会見を開き、30年に訪日外国人旅行者6000万人・消費額15兆円とする政府目標について、「追い求めていきたい」との意向を表明した。新型コロナウイルスの終息が見通せず、訪日市場は壊滅的な状況が続く。近年の観光公害の問題もあり、コロナ禍の観光立国のあり方が問われているが、「産業のプレゼンスを高め、地域経済を支える意味でも、大きさを求めることは今後とも重要」との考え。一方で、「これまでの延長線上では直面する課題に対応できない」とし、新たな発想で臨む姿勢を示した。
目標を定めた観光立国推進基本計画が来年3月で期間終了を迎えるのに伴い、現在、改定に向けた議論が進められている。量的拡大が難しいなかで挙がっているのが消費額の大きい富裕層の誘致拡大だ。日本経済に裨益する市場として、受け皿となるホテルの整備と併せ、1つの方向性として示した。
何よりもまず現下の危機を乗り越えるため、GoToトラベルキャンペーンの成功と観光産業の支援に取り組む。特に産業に対しては、観光を支える働き手を守るため、雇用調整助成金をはじめとする事業継続のための制度の活用を進めていく。
航空、鉄道、海事などを幅広く経験してきたが、観光は初めてで、集大成と位置づける。入省時の上司でもある田端浩前長官から引き継ぎの際、「観光はマーケットインの発想が重要」とバトンを託された。「コロナ禍で旅行者がどういった旅やサービスを求めているのか、掘り起こしていかなければならない」と語る。意識するのはグローバルな視点。「世界の各地域の動向や取り組みを把握しながら、ニーズに対応していきたい」と展望した。
カテゴリ#観光政策#新着記事
キーワード#富裕層#新着記事
キーワード#観光庁#新着記事
キーワード#訪日外国人消費#新着記事
アクセスランキング
Ranking
-
釜石市、持続可能な観光でまた称号 日本初のゴールド賞 鍵は地域のマネジメント
-
米国、グローバルエントリープログラムを本格運用へ 東京・大阪の面接会に参加多数
-
6月の客室利用率は前年割れ 閑散期と単価重視が影響
-
ファーイースト・ホスピタリティ、日本で3軒目のホテル運営開始 3倍の2000室に拡大へ
-
日本籍船のディズニークルーズ誕生へ オリエンタルランド参入で市場に活気
-
競争入札と談合 成長領域の落とし穴
-
日本でも金融×旅行の流れ 三井住友カード、外資系OTAと提携
-
ベルトラ、韓国大手OTAと提携 インターパークに訪日商品供給
-
『奏で手のヌフレツン』 壮大な神話のような読了後の満足感
-
ニューカレドニア観光局が休局 情勢不安で打撃 日本の回復も遅く