GoTo事業、東京除外で開始 取消料補填 安全との両立へ宣言も

2020.07.27 00:00

 観光庁は7月22日、国内観光需要喚策のGoToトラベルキャンペーンについて、東京発着ならびに都内在住者の旅行を当面除外することとして開始した。当初予定の8月から大幅に前倒ししたものの、東京都の感染者増を受けて地方への感染拡大を懸念する自治体や世論を受けた苦肉の策。旅行代金の割引を先行し、旅行先で使える地域クーポンは9月以降に開始する予定。

 7月10~17日に予約し、キャンペーン適用外となった旅行者からはキャンセル料を収受しないことも決め、開始前日の21日に旅行関連団体を通じて事業者に要請した。事業者に実損が生じる場合は事業予算から補填する。補填を受けるためには、予約記録などを行政機関に提出することについて旅行者から承諾を得る必要がある。

  代金の割引は、発表前に予約されていた7月22日以降開始の旅行も対象となるが、旅行者自身が還付手続きを行う必要がある。登録事業者はGoToトラベル事業の公式サイトなどを通じて紹介する予定。

  事業局運営は、JATA(日本旅行業協会)を代表に全国旅行業協会(ANTA)、日本観光振興協会、JTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズから成るツーリズム産業共同提案体が担う。また、協力団体として、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、リクルートライフスタイル、楽天、ヤフーが名を連ねた。各団体はキャンペーンに先立ち、感染拡大防止と安心・安全な旅行を両立するため、ガイドライン順守の事業者を使ってツアーを造成することや、施設での対策の徹底を宣言した。