国内旅行の再開、1年以内が6割 海外は1年先が9割で他国より回復に遅れ

2020.05.18 00:00

 トリップアドバイザーが発表した新型コロナウイルスに関する旅行市場動向調査で、日本人旅行者の国内旅行再開時期が1年以内との回答が61%に上ることがわかった。一方、海外旅行は1年以上先が87%と大部分を占めた。牧野友衛代表取締役は、「まず国内旅行をどうしていくかを考えることが大事」としている。

 調査はデータ分析のクアルトリクスが4月7~ 10日、豪州、シンガポール、米国、英国、イタリア、日本の6カ国を対象に、過去12カ月に旅行経験のある旅行の意思決定者各400人に実施した。日本人に次の国内旅行の時期を尋ねると、1年以上先が39%となった一方、7~12カ月以内が27%、4~ 6カ月以内も23%あり、3カ月以内を含めて過半数が1年以内の再開を希望した。

 移動距離については、自宅から90分以上の移動が34%、国内線利用が23%となり、これまでと同様に遠方への旅行を検討する人が多い結果となった。一方で、自宅から近場でのステイケーションが17%、自宅から90分以内の範囲が14%となり、近場が人気の傾向にある実態も浮かび上がった。

 以前より選択の可能性が高くなる旅行形態では、アウトドアや自然散策、ドライブ旅行が挙げられる。また、次の旅行のテーマは温泉旅行やのんびり過ごす旅行が人気だった。牧野代表は、「ストレスがたまる日常が終わった際にゆっくり過ごせるような旅行に大きな需要がある」と分析する。

 また、国内旅行より戻りが遅いとされる海外旅行について他の市場を見ると、シンガポール人は7〜12カ月以内が40%、6カ月以内の再開が30%の回答。英国人は6カ月以内が32%、7~12カ月以内が27%で、日本人より需要の戻りが早まるとみられる。