離島路線維持へ垣根越えタッグ、航空大手2社と九州3社
2019.11.11 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/1118_P07-1.jpg)
九州を本拠地として離島生活路線を運航する3社と全日空(NH)、日本航空(JL)は、地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合(EAS LLP)を設立した。大手系列の垣根を越え、路線の維持に向けて機材・部品調達の効率化や営業強化へ協力する。地方路線は地方創生や観光立国に果たす役割が大きいが、運航会社の経営基盤の脆弱さや少数機材による高コスト構造など、課題が山積する。従来の協業から一歩踏み込み、新たな枠組みの下で解決を図る。
LLPを構成するのは、大手2社のほか、JL子会社の日本エアコミューターとJLが運航面などで支援する天草エアライン、NHが出資するオリエンタルエアブリッジ。これまでは同系列内でのみコードシェアや予備機材の共用、訓練の受委託などが行われてきた。
新体制では、運営拠点を東京に置き、営業や調達で大手2社との連携・協力を進める。具体的には系列を越えてコードシェアを実施し、旅行商品を共同で開発する。プロモーションも合同で行う。技術面では、格納庫やシミュレーターなどの設備がある鹿児島を中心に天草と長崎の各社拠点と連携する。
国土交通省は持続可能な地域航空のあり方について有識者や実務者を交えて議論を重ねてきた。収益性の確保や需要拡大の観点で見れば、経営統合のほうが効果が大きいとする一方、出資する自治体など関係者や調整事項が多く実現の難易度は高いとし、まずはLLPを設立して経営改善効果の試算や運営ルールづくりをすることとしていた。
LLPの期間は4年。3年を経過した時点で検証し、今後の対応を協議する。国交省は関係者間で効果を実感でき、合意形成が得られれば経営統合につなげたい考えだ。
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