G20観光大臣会合で異例の試み、ピッチコンテストや有料ツアー
2019.09.16 01:00
20カ国・地域(G20)で初となる観光大臣会合が10月25~26日、北海道倶知安町で開催される。6月の大阪サミットの首脳宣言に観光が盛り込まれたことを踏まえ、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献、観光客と地域社会に貢献する観光マネジメントなどをテーマに議論される。この機会を最大化しようと、観光庁は大臣会合で異例とされる仕掛けを講じている。
その1つがピッチコンテストだ。観光分野の課題を解決する革新的なアイデアを民間から募った。ベンチャーを中心に応募は100件に上り、欧州など海外企業も25%を占める。大臣会合では官民セッションを設け、事前のピッチコンテストを通過した上位3企業がプレゼンテーションを行う。民間のアイデアや成功事例を各国が共有し、活発な議論を促す狙いだ。
準備に奔走する観光庁国際観光部の地主純参事官付課長補佐は、「実用化を前提にしてはいないが、絶好のアピールの場になる」と見る。
もう1つはエクスカーションだ。会合前後に代表団向けに無料で提供されるケースが一般的だが、公募形式で有料ツアーを10件設定した。この試みは特に道内の旅行会社から好反応を得た。岩内町で地域限定旅行業を営むIWANAI UNITED(イワナイ・ユナイテッド)の目黒沙弥代表は、「町の魅力を地元の人々に気づいてもらうことが目的」と話す。地域色を詰め込んだというツアーは、個性の強さで有名な住職のいる寺や漁師の妻たちが教える料理教室が目玉。1泊1人2万5000円で提供する。
開催地はともすれば場所にすぎず、レガシーが残らない。地主課長補佐は、「地域に残せるものがほしい。参加したという意識が後に生きてくるはず」と期待している。
カテゴリ#インバウンド#新着記事
キーワード#北海道#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
城崎温泉街をWHILLで移動 高齢化に対応 でこぼこ道も観光しやすく
-
COP初、観光業の気候対策宣言で歴史的節目 課題は行動 日本の出遅れ感指摘する声も
-
JTBの中間期、増収減益 非旅行事業の減少響く
-
交通空白地解消へ官民連携基盤 自治体・交通事業者と支援企業をマッチング
-
新千歳も外国人入国者プラスに 主要空港の8月実績 韓国けん引
-
廃校へ行こう! 地域の思いが詰まった空間へ
-
リゾートトラストと三菱商事、医療観光で合弁事業を検討
-
沖縄県の宿泊税、都道府県で初の定率制に 26年度から2%で導入へ
-
AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
-
福島・浪江で町の未来考える謎解き企画 異彩作家と連携