北方領土ツアーを20年以降解禁へ、今秋催行で課題を整理
2019.08.30 08:00

政府は今秋、北方領土への観光ツアーを試験的に実施する。6月のG20大阪サミットの日露首脳会談でツアー実施に合意しており、両国が進める共同経済活動の観光分野の施策が進展する形となる。
北方領土への訪問は元島民ら一部に限られており、一般客が参加できるツアーは初めて。観光庁は、「来年以降の旅行会社による商業的なツアーを目指し、課題を探りたい」(国際関係参事官室)としている。
今回のツアーは1回限りで、日程や訪問地は決まっていないが、都市機能が比較的整備されている国後島と択捉島が候補に挙がっている。参加者は数十人規模になる見通し。
政府が委託する旅行会社を通じて一般客が参加できる枠組みを目指しているが、「誰でも参加できる公募のような形ではなく、一定の条件を満たした人を対象とする方針」(同室)という。
北方領土の観光をめぐっては、16年12月に開かれた日露首脳会談での共同経済活動の合意を受け、観光ツアーの可能性が浮上。17年に2回、18年に1回JATA(日本旅行業協会)など旅行業関係者らが視察を行っており、ツアー化に向けた課題や可能性を探ってきた。
北方領土は計1万7000人が住み、火山や温泉、湖、山など自然資源が豊富だ。JATA訪問団は17年10月、国後島でハイキングを体験、択捉島では地熱発電所や温泉、宿泊施設、色丹島では日本人墓地や湾を訪問し、観光素材を確認した。一方、宿泊や交通インフラが不十分なことや、移動手段の確保、取り扱う旅行の区分や対象業者などの整理が必要としていた。
観光庁は、商業的なツアーの実現に向けては、人数や訪問地などの制約を設ける可能性を含めて今後の検討課題としている。
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