東武トップが客船誘致事業に着手、受け入れまで一体的支援 寄港地ツアーも加速
2019.07.01 23:44
東武トップツアーズは全国の港のクルーズ誘致支援に乗り出した。港湾の調査研究や振興を行うみなと総合研究財団と包括連携協定を結び、港湾管理者である自治体と連携した事業を展開する。
クルーズ市場の拡大を好機と捉え、チャーターなど商品販売を強化する旅行会社が増加するなか、着地面の事業に軸足を置き、市場の取り込みを図る。
東武トラベルとの合併前の1980年代ごろから、トップツアーが寄港地ツアーの造成・販売を手掛けてきた。「港や船会社のニーズに合わせた企画力、天候条件に柔軟に対応できる催行能力など、長年蓄積してきたノウハウを持つ」(経営戦略部)。
現在は年間数百に上るツアーを提供しているといい、「国内の取扱件数はトップクラス」(同)という。近年の外国船社の寄港回数の増加に伴い、自治体は誘致などを含めた受け入れ業務の外注化を進めている。
こうした流れを受け、同社は寄港地ツアーのノウハウと実績を誘致事業に生かせると判断。財団が強みとする港湾や船舶の知見やネットワークの面で連携しつつ、誘致から受け入れ体制の整備まで一体的に支援する。寄港地域の調査や海外プロモーションで協力し、寄港した際のおもてなし事業やイベントも積極的に行う。
寄港地ツアーとの相乗効果にも期待する。これまでは配船が決まってから商品づくりを始め、船社などに販売する流れだったが、誘致から手掛けることで港や船社の特徴に合わせたきめ細かな商品を提供できるようになる。
外国船の日本寄港をめぐっては、消費拡大や乗客の満足度向上が新たな課題となっており、同社は「攻めの姿勢でクルーズ事業に取り組む」(同)と意欲を示している。

役社長(右)とみなと総合研究財団の山縣宣彦理事長
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