九州・沖縄のオフピーク旅促進 東急TsugiTsugiと交通4社、宿泊サブスクを軸に
2024.06.10 00:00
東急は交通事業者4社と連携し、需要平準化を目的に推進してきた定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」を九州・沖縄のオフピーク旅促進で展開する。東急が平日を中心とした送客の軸となり、ソラシドエアとスターフライヤーが長距離交通を、JR九州とニッポンレンタカーが域内周遊を担う。地域・宿泊・交通をつなぎ、来訪を促しながら曜日や訪問先の分散化を図る。
6月4日から25年5月末まで、ソラシドエアで九州・沖縄を訪れ、ツギツギを利用して対象の宿泊施設に泊まると、全国の施設で利用できる無料宿泊の権利を最大12泊分提供する。航空2社の機内でJR九州フリーきっぷを限定価格で販売し、レンタカーは優待価格で利用できるようにした。初来訪のハードルを引き下げ、再来訪のきっかけをつくるための仕掛けで、グルメが毎月当たるキャンペーンも実施する。
観光需要の急激な回復で混雑や地元住民への影響が問題視されるなか、旅行者の満足度低下や再来訪のきっかけをも失うリスクに着目した。九州・沖縄はツギツギ利用者の要望が多く、対象施設も全国210施設中50施設と充実している。周遊と相性の良いロードサイド型ホテルも加盟しており、多様なコースを提案していく。特典の提供期間終了後も5社は引き続き連携する。
ツギツギは実証実験を経て23年5月に事業化。黒字化を予定より早く初年度に達成した。発案者の川元一峰ホテル・リゾート事業部事業戦略グループ主査は、「1カ月のうち日~木曜に2泊を選べるプランの利用が想定以上に伸びた。継続率も高く、顧客獲得コストの抑制につながった」と要因を語る。交通事業者との連携は今後、他エリアにも拡大したい考えだ。
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