人手不足で営業制限が深刻化 サービス連合調査 旅行・宿泊業の85%で実施
2024.05.13 00:00
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)の調査で、旅行・宿泊業の加盟組合のうち85%の事業者が、人材不足を理由に何らかの営業制限・制約を強いられていることが分かった。旅行業の営業制限は、来店予約(52.9 %)、営業時間短縮(47.1%)、店舗の統廃合(41.2%)、入札や案件辞退(同)など。宿泊業では、営業日縮小(48.6%)、営業時間短縮(34.3%)、販売数の制限(28.6%)、全館休業日の設定(同)などが具体例として挙げられている。
サービス連合はこの状況を深刻に捉えている。ツーリズム産業は製造業と比べて提供する商品に柔軟性があり、顧客に待ってもらうことなどもできるにもかかわらず、営業日数や時間の短縮など制限が生じることは、かなり人材不足が進んだ状態と指摘する。
人材不足の大きな要因は、新型コロナウイルス感染症対策の影響による離職だが、旅行業で退職理由の上位は会社の将来性(64.7%)、職場環境(58.8%)、仕事量が多い(52.9%)、勤務時間が長い(同)、賃金が低い(同)の順。宿泊業では賃金が低い(88.6%)、職場環境(54.3%)、勤務時間が長い(40.0%)、会社の将来性(31.4%)、仕事量が多い(同)などとなった。
対策として、23年度は中途採用が増えている。19年度に比べ旅行業では76.5%が、宿泊業では42.9%が増えたと回答。旅行業では営業職、宿泊業では接客・調理を中心に採用が行われている。
サービス連合は24年度重点政策の1つに観光業の人手不足への対応を掲げている。観光産業が日本の基幹産業であることを踏まえて、適正な対策を国・自治体、業界・企業、教育機関に働きかけていく。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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