<PR>沖縄の修学旅行の新たな素材発見 探究学習やSDGsプログラム体験で

2024.03.27 13:00

興南アクト部による首里城ガイド

沖縄県・沖縄観光コンベンションビューロー主催の沖縄修学旅行モニターツアーが1月下旬に実施された。参加したのは関東・関西・中部エリアの中学・高校関係者。平和学習・自然体験・SDGsを軸として組み立てる沖縄ならではの探究学習の内容は、参加者から高い評価を得ることができた。

 沖縄県・沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は23年度の学校関係者向け修学旅行モニターツアーを1月27~28日に実施した。コロナ禍以降の学校教育現場の環境変化や新学習指導要領に、よりフィットした修学旅行素材の体験機会を学校関係者に提供し、沖縄修学旅行の魅力を再発見してもらうのが目的だ。

 今回は関東・関西・中部エリアの中学校と高等学校の学校関係者13人が参加。「かつて引率した沖縄修学旅行とは異なるツアーを体験でき、見識が広がった」や「すべての施設や活動に問いがあり、考える探究型教育旅行となっていた」など、沖縄の修学旅行素材を高く評価する声が寄せられ、すでに沖縄修学旅行の実施経験がある学校、実施検討中の学校関係者のいずれも、沖縄修学旅行の新たな可能性に強い関心を示す結果となった。

参加した学校関係者の声

 今回は全部で6つのプログラムを体験。1日目に平和学習として旧海軍司令部壕や、米空軍嘉手納基地の目の前にある「道の駅かでな」を訪れ、文化体験としては体験王国むら咲むらで体験メニューを実践。2日目には嘉手納町の比謝川で遊歩道散策やマングローブカヤックの視察、北谷町の美浜アメリカンビレッジで英語を使った国際交流型まちなかロゲイニング(地図を頼りにチェックポイントをクリアする探究型フィールドワーク)を実施。最後は沖縄の中高生との交流プログラムとして興南中学校・高等学校アクト部の部員たちのガイドによって首里城を見学した。

米軍基地が目前に広がる道の駅かでなで平和について考える

 参加者アンケートではいずれのプログラムも「とても良い」か「良い」の高評価となった。特に興南アクト部による首里城ガイドはほぼ全員が「とても良い」と回答。「興南の生徒が一生懸命に説明する姿に感動した。修学旅行生もアクト部の生徒たちから大きな刺激を受けると思う」「同年代の生徒たちから話を聞くのは、教員から聞くよりも伝わりやすい」といった賛辞が集まった。また「本校も次年度以降の行程で検討したい」や「アクト部の皆さんとズームを通して交流したい」など、具体的なアクションを考えている学校もあった。

 国際交流型まちなかロゲイニングは、探究型学習と国際交流型学習を組み合わせているのが特徴で、プログラムをすべて英語で実施。チームごとにイングリッシュスピーカーの案内役が付き添った。「イングリッシュスピーカーとまち歩きを体験することにより、英語を自然と使うことができる機会は非常に面白かった」や「英語学習の意欲を高める良いきっかけになる」といった参加者コメントからは教育効果の高さへの期待が見て取れる。

 比謝川マングローブカヤックも沖縄ならではの学習体験として参加者に好評だった。単に自然体験としてのマングローブカヤックではなく、沖縄戦で米軍が上陸した地である比謝川河口部を訪れ、当時の艦砲射撃のすさまじさや、そこから再生し蘇った自然のたくましさを学ぶことができるのが特徴だ。参加者も「自然・平和教育・SDGs等、さまざまな観点で学べるのが素晴らしい」「マリン体験を楽しみつつ、沖縄戦が始まったこの地で、平和学習ができることが魅力」と評価している。

比謝川自然体験センターの遊歩道散策では地域と自然の関わりを考える

 旧海軍司令部壕は、手掘りの跡や手りゅう弾で自決した弾痕跡などがほぼ当時のまま残されている。民間の視点から語られることが多い沖縄戦について、日本軍の視点から当時の状況や戦争の悲惨さを感じ、平和の尊さを学ぶ機会として多くの参加者が「とても良い」と評価した。また「道の駅かでな」は、巨大な空軍基地を目前にして、地域住民の生活の視点も踏まえ基地問題について考える探究学習のきっかけを得られる体験として評価された。文化体験として、素焼きシーサーの色付けと黒糖作りを行った体験王国むら咲むらは、沖縄らしい文化を体験しながら学ぶことができ、思い出になるとの声が上がった。

旧海軍司令部壕では併設の資料室に沖縄戦の歴史や壕内で掘られた遺品などが展示される

モニターツアーならではの成果

 今回のモニターツアーは学校関係者にとって、新たな沖縄修学旅行素材の発掘・発見に役立ったようだ。「既存のコースが定番化していることから、新しいプログラムや施設・団体を紹介し、沖縄でのさまざまな学びや体験の可能性を知ってもらえる機会だったと思う」「知らなかったプログラムがたくさんあり、自分の学校で以前から行っている場所に行くことの繰り返しではいけないことが分かった」「1月や2月の実施も良いと感じた」など、これまでの情報やイメージを上回る発見があったという声が出ていた。

 今回のモニターツアーでテーマの1つとなっていた「探究学習に対応するプログラム」だが、沖縄は探究学習に最適な場所といえるだろう。小さな地域でも課題が多く、コンパクトな移動で、多くの疑問・発見につながりやすい環境だからだ。課題設定からフィールドワークまで行いやすく、事前学習から現地での体験、事後学習までを一貫して行うプログラムなども生まれてきている。参加した学校関係者からも「ありがちだったプランから、いまの時代に求められる学びがプランにシフトしていくための知見を広げることができた」という評価がみられた。

 今後さらに重要性が高まるであろう探究学習についても、多くの素材があり、生徒の学びのきっかけが得られる場所として、沖縄は大きな可能性を持った「学びの宝庫」であるといえるだろう。

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