大規模旅館・ホテルの苦戦目立つ 日旅協調査 団体客の回復に遅れ
2024.03.11 00:00
日本旅館協会が会員旅館・ホテルの営業状況について22年度財務諸表からまとめた調査によると、コロナ禍が収束に向かい需要が戻りつつあるなかで、大規模施設ほど苦戦が続いている。需要は全体的に回復傾向にあるが、団体客の戻りの遅れが影響した。予約チャネルでは、旅行会社経由が前年度より増えた。旅行会社が従来の業務を再開したことが要因と見ている。
調査は期首が21年9月~22年8月、期末が22年8月~23年7月の決算からまとめた。有効回答数は153軒で、大規模(客室数100室以上)が28軒、中規模(31室以上99室以下)が68軒、小規模(30室以下)が57軒。
コロナ禍の影響が前回調査より薄れているものの、約半数が回復していない時期の決算に基づく結果となったが、経常黒字は69.3%で前年度から26.3ポイント増加、19年度比でも17.8ポイント増えた。規模別では、大規模が50.0%と半数にとどまった一方で、中規模73.5%、小規模73.7%。19年度比でも大規模は3.8ポイント減だが、中規模は22.0ポイント増、小規模はさらに多く23.7ポイント増だった。
1軒当たりの総売上高は、前年度に比べて全施設で大きく増加している。ただ19年度比では大規模が8.7%減、中規模が0.7%減、小規模は25.7%増となり、規模が大きくなるほど、まだ回復途上であることが見える。
予約チャネルの変化を見ると、旅行会社経由は26.8%となり、前年度比4.3ポイント増。OTA(オンライン旅行会社)経由は43.3%で2.0ポイント減となり、これまでほぼ毎年割合が増加してきたが、減少した。とはいえ、19年度比で見ると旅行会社の14.1ポイント減に対し、OTAは12.4ポイント増となっており、伸びは顕著だ。
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