訪日客、年間2500万人視野 9市場がコロナ前超え
2023.11.27 00:00
日本政府観光局(JNTO)によると、10月の訪日外客数は251万6500人となり、19年同月を0.8%上回った。単月でコロナ禍前を上回るのは初めて。1~10月累計では1989万1100人となり、残る2カ月をこのままの回復ペースで進めば、年間2500万人が視野に入る。
10月はシンガポールをはじめとした東南アジア、米国やドイツなど欧米や豪州で訪日外客数が増加し、回復率を押し上げた。国際定期便も冬期スケジュールの期初時点でコロナ禍前の約8割まで運航便数が回復し、その後も東南アジアを中心に増便・復便が相次いでいる。
国・地域別では、韓国がトップで63万1100人。19年同月比では、当時、日韓情勢の悪化で訪日を控える動きがあったため219.9 % 増。台湾が42万4800人(2.7%増)、米国が21万1900人(38.2%増)と続く。中国は25万6300人(64.9%減)と回復が遅れているが、アジアや欧米などの多くの国がコロナ禍前の人数を上回り、カナダ、メキシコ、ドイツは単月の過去最高を更新した。
1~10月累計では、主要23市場のうち9市場が19年同期を上回った。最大の伸びはメキシコの28.8%増。
訪日市場全体では好調だが、課題もある。観光庁の髙橋一郎長官は「地方がまだ戻っておらず、そのポテンシャルを生かし切れていない」とし、地方誘客をより推し進める方針を示している。
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