商船三井クルーズ、訪日市場に参入 全客数の3割程度 新ブランド名で訴求
2023.10.23 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2023/10/1030_P04-01_R-1.jpg)
8月に社名を変更して第2の創業期を迎えた商船三井クルーズは、新ブランド「MITSUI OCEAN CRUISES」の下でクルーズ事業を展開し、訪日外国人の取り込みを図る。現在運航する「にっぽん丸」は乗客のほぼ100%が日本人だが、24年以降に複数のクルーズ船を投入し、海外の顧客基盤を拡大する。
商船三井グループは35年までの経営計画で、クルーズを海運不況時でも黒字を維持できる安定収益型事業と位置付ける。世界の外航クルーズ乗客数はコロナ禍前の19年に2970万人を数え、23年はそれを上回る3150万人と予測されている。その後も順調な伸びが見込まれる成長市場と目し、商船三井クルーズは上位5%のラグジュアリー市場を狙う。
にっぽん丸の運航を継続しつつ、24年12月に「MITSUI OCEAN FUJI」(乗客定員458人)を投入する。米シーボーンクルーズから購入した全室スイートの高級船を改名する。バトラーによるパーソナルなサービスが売りで、仕事ができるスペースを設けてワーケーションなどにも対応する。27年以降は2隻の新造船を投入する計画だ。
既存顧客の65歳以上の裕福なカップルに加え、日本人の有職シニアや子離れ層、共働きで子供のいないDINKSがターゲット。訪日外国人の顧客像は本物の日本体験と快適さを求める旅行者で、台湾、香港、シンガポールなどの裕福層や北米・豪州市場を開拓する。
商船三井の向井恒道常務執行役員は、「海外の拠点網を生かし、その顧客や取引先を通じてマーケティングしていく」と話す。在日外国人への訴求や海外の旅行会社とのパートナーシップも想定している。30年代半ばには全体の25~30%を訪日客が占める市場配分としたい考えだ。
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