観光分野への海外投資が回復傾向 西欧中心に22年23%増 ホテル開発進む
2023.09.25 00:00

国連世界観光機関(UNWTO)と海外投資に関する情報メディア「fDiインテリジェンス」が共同でまとめた報告書によると、世界の観光分野への海外直接投資(FDI)はコロナ禍の低迷期から回復し始めている。国際観光客数の回復に伴い、施設開発などへの投資熱が再び高まっている。報告書は22年のデータのため、23年はさらに拡大しているものとみられる。
海外で事業を行うために企業買収や設備などに投資するFDIのプロジェクト数は、観光分野で21年の286件から22年に352件へと23%増加した。観光FDIにおける雇用創出率も同じく23%増加し、3万6400人を数えた。
主要な投資先は西欧で143件、投資推定額は計22億ドルに達した。欧州は観光客の戻りが早く、今年1~7月の国際観光客数は19年同期の91%に回復している。これに対し、アジア太平洋地域は42件だが、前年に比べると投資数は2.4%増と上向いている。
投資先はホテル・観光部門が最多。18年から継続して全プロジェクトのほぼ3分の2を占めている。22年の件数は21年に比べて25%増加した。
調査によると、FDI投資企業の上位10社のうち欧州企業は4社で地域別最多。スペインのメリア、英国のインターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)とセリーナ、フランスのアコーと大手ホテルチェーンが名を連ねる。例えばアコーは日本市場への進出にも積極的。24年春には上級クラスの「グランドメルキュール」を含む計23ホテル・約6500室を一斉に開業する。
投資が増える一方で、UNWTOは教育と人材にも多大な投資を行う必要があると指摘する。スキルを備えた人材を育成し、観光全体の平均賃金引き上げを促すとしている。
【あわせて読みたい】アコー、国内で23軒を来春開業 大和リゾートから運営受託で拡大
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