訪日医療ツーリズム、活発化の兆し アリババや医誠会が相次ぎ強化
2023.09.04 00:00

訪日旅行需要の急速な回復が進むなか、メディカルツーリズムの分野でも活発化の兆しが見られる。アリババグループは、中国最大級の越境ECサイトのTモールグローバルを活用し、中国向けの事業に参入する。大阪の医療法人医誠会はインドネシアの富裕層向けの先進医療ツーリズムを開始する。ジェーシービー(JCB)や現地の旅行会社と共に事業を展開する。
アリババは、訪日する中国人観光客向けに検診・人間ドックなど自費診療の手配をサポートする。実際に検診などを行う日本の企業や団体がTモールグローバルに公式店舗を出店する。中国の消費者に直接アプローチし、正確な情報を提供して、オンラインでの予約を受け付ける。第2弾では美容医療サービスも展開する予定。
医誠会はこれまでも積極的に海外からの患者を受け入れてきたが、10月の医誠会国際総合病院の開院に合わせて、新たなサービスを開始する。課題の1つである言語対応では、事前問診から診療結果の説明まで、インドネシア語での医療通訳を組み込んだ。フライト・宿泊・移動手段の手配などをきめ細やかにサポートし、富裕層が安心して受診できる仕組みを構築する。観光の個別アレンジ、JCBの日本での特別なプログラムや優待サービスなども含めて訪日旅行をサポートする。
日本の医療技術の高さは世界的にも知られており、コロナ禍で中断を余儀なくされたものの、日本で医療を受け観光も楽しもうという機運は再び高まりそうだ。外国人を受け入れる医療機関も増えてきている。厚生労働省は観光庁と連携し、地域の医療・観光資源を活用した外国人受け入れ推進のための調査・実証事業を行うなど、行政も取り組みに力を入れている。
【あわせて読みたい】訪日医療の取り組みを 訪日客の入院医療費を保証 ナップ賃貸保証、未収リスクに対応
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