地域交通の再構築へ改正法施行 10月から 国がローカル鉄道の見直し等支援
2023.07.03 00:00
地域の公共交通の維持に地方自治体が主体的な役割を果たす、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が改正され、一部を除き10月1日に施行される。人口減少やモータリゼーションなどによる利用者数の長期的な落ち込みにより、地方の公共交通の維持・運営は厳しさを増し、特に一部のローカル鉄道は大量輸送機関としての特性が十分に発揮できない状況にある。事態の改善へ、自治体や公共交通事業者など関係者間の連携を国が積極的に後押しする。
利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通に「リ・デザイン(再構築)」する取り組みの一環。ローカル鉄道では赤字の大きい区間の見直しについて、鉄道事業者や自治体の要請に基づき、国が利用促進策などを検討する「再構築協議会」を設置できるようになる。路線の維持・高度化やバス輸送への転換などについて調査を行い、施設整備等の資金も支援する。自治体が主体となって法定協議会を組織する従前の枠組みだけでは、路線廃止の懸念などから協議に至らないケースも多かった。
エリア一括協定運行事業も創設した。自治体が一定のエリアで行うバス運行について、運賃・路線・便数などを決めて複数年にわたり運行を委託する場合、自治体に費用を補助する。さまざまな交通手段が重複し、それぞれが赤字を出し続けてサービスの低下や維持できなくなる事態を防ぐ。
鉄道とタクシーの協議運賃制度も始まる。先行して実施されている乗合バスに続き、地域の関係者間で合意すれば届け出運賃を設定できる。これにより、鉄道とバスの共通運賃や通し運賃、タクシーではエリア内なら定額で何度でも乗り降り自由な運賃などを設定できるようになる。
【あわせて読みたい】2022年10月10日号>岐路に立つローカル鉄道 三位一体の改革なるか ローカル鉄道、抜本的てこ入れへ 国・自治体・事業者の協議会 観光列車活用やバス移行も視野に
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