第2のふるさとづくり、モデル事業に18件採択 全但バスなど新たな顔ぶれ 継続組も4割
2023.06.26 00:00
観光庁は、何度も地域に通いたくなるような国内交流需要を掘り起こす「第2のふるさとづくりプロジェクト」で、23年度のモデル実証事業に18件を採択した。観光とは異なる新たな旅のスタイルの普及を目指し、22年度に立ち上げた事業。継続した来訪を促す仕掛けを求めており、採択事業には前年から内容を拡充して引き続き取り組む事業が散見されるほか、バス事業者など新たな顔ぶれが見られる。
応募件数は92件。初年度の約200件に比べ少ないが、滞在・移動環境を条件に加え、ハードルを引き上げた。
継続は7件。地域と来訪者が一体となった祭り運営プログラムを展開する秩父市や、埼玉県小川町で家族向け学習滞在プログラムを推進する東武鉄道などだ。「宿泊や2次交通の不足など、初年度に見えてきた課題に取り組むところが多い」(観光庁観光資源課)。雪国観光圏は地域の仕事を手伝うことで交流を生み対価を提供する事業を広域に展開するなど、拡大に向かっている。
事業は学びやボランティアをテーマとするものが多い。新規採択の全但バスは兵庫県新温泉町と共に「しんせき学び旅プログラム」を展開する。メインターゲットは京阪神在住の30~50代のビジネスパーソン。学び直しやステップアップに興味がある層に地域の課題を解決しながら学ぶ場を提供する。
コロナ禍もあり、バス事業はそれ単体では厳しい時代を迎えている。全但バスは地域と共に取り組む事業を開拓するなか、移住者など新たな市場の開拓に力を入れつつ移動に課題を抱えていた新温泉町と方向性が一致した。実証期間中、高速バスと町内のコミュニティーバスを定額乗り放題とし、町中心部のターミナル施設の一部を交流スペースに改修する計画だ。
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