旅行意欲は最高潮も円安が最大障壁 JTB総研調査 負担軽減策が鍵に
2023.05.29 00:00
コロナ禍による暮らしや心の変化と旅行の意識について調べてきたJTB総合研究所によると、3月に実施した最新調査の結果、閉塞感は軽減され、旅行意欲は20年の調査開始以来、最高に高まっていることがわかった。海外旅行は若い世代で、国内旅行は全世代で、予定・検討している人が増加した。
全国の約6400人から回答を得た予備調査で、今後1年以内に海外旅行に行くと回答したのは全体の14.1%。前回の22年12月調査の13.1%に比べ微増だった。最も多いのは20代男性(28.7%)で、20代女性(27.6%)、30代男性(22.4%)が続く。水際対策の緩和などでハードルは下がったものの、60歳以上の男女はまだ様子見の状況にある。一方、国内旅行は44.6%が行くと回答(前回は40.3%)、すべての性年齢別で上昇した。これまで旅行意欲が上がらなかった40・50代も上昇傾向で、20代は男女とも50%を超えた。
回復が進まない海外旅行だが、どんな状況なら出かけようと思うのか。今後1年間で国内旅行に出かける予定のある約1000人に絞った本調査では、「円高が進めば」(28.0%)と経済的条件が最大。旅行商品やサービスでは、「手頃なプランや宿泊施設が取れれば」(21.7%)、「旅行前に必要な手続きを簡単に済ませられるサービスやサポートがあれば」(20.1%)が上位で、負担軽減が鍵を握る。
国内旅行ではひとり旅が定着する一方、夫婦のみの割合が減少し、子供連れや三世代旅行など、多人数での家族旅行の増加傾向が見られた。22年度より旅行が増えるとの回答は47.8%で、「これまで旅行を我慢していた」(46.9%)ことの反動や「後ろめたさを感じなくなった」(37.1%)など周辺環境の変化が作用している。
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