日本発着クルーズ、滑り出し順調 カーニバル・ジャパン堀川社長「日本人客は5月が分岐点」

2023.03.20 00:00

日本は変わらず重要市場と語る堀川社長

 日本発着クルーズが3年ぶりに再開した。外国船社の中で運航規模が最大のプリンセス・クルーズは3月15日を皮切りに、「ダイヤモンド・プリンセス」(乗客定員2706人)で11月まで33出発日を計画する。6月上旬までほぼ満室で順調な再スタートを切った。

 カーニバル・ジャパンの堀川悟代表取締役社長は「ぎりぎりのタイミングだった」と安堵する。会長を務める日本国際クルーズ協議会でガイドラインを整え、関係当局に再開を働きかけてきた。昨年11月の政府発表が少しでも遅れれば、各社の配船準備が間に合わず日本が除外されるリスクもあった。

 予約の約6割が欧米客。日本人が55%を占めていた19年と逆転した。特に4月中旬までは欧米が8割に上り、訪日市場が支える。営業拠点のある米国などの予約が早いうえ、桜の開花時期と重なったことが主な要因だ。

 一方、日本人は新型コロナの5類移行の境となる5月上旬まで弱含み。しかし、堀川社長は「5月8日が分岐点になる。以降は一気に増えるのではないか」と予測する。

 期待をかける理由の1つは客層の変化だ。クルーズが初めての新規客が多い。新設の料金形態もカンフル剤になり得る。チップやアルコールなどまで含むオールインクルーシブ型で、前面に押し出した効果もあり利用が多い。クルーズは手頃でわずらわしさがないという認識が定着する米国のクルーズ人口は全体の2~3%。日本はわずか0.2%だが、潜在性の高い市場として今後も力を入れる方針だ。「旅の選択肢として有力だと証明したい」(堀川社長)

 19年は日本発着クルーズを41出発日で実施し、11万人程度を集客したとみられる。同水準を回復するのは、うまくいけば24年と見ている。

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