ANAホールディングス、非航空事業の収益力強化 中期戦略 25年度に過去最高の営業利益達成へ

2023.02.27 00:00

ANAHD体制の開始以来10年ぶりに経営ビジョンを策定。右から2人目が芝田浩二代表取締役社長

 ANAホールディングス(ANAHD)は23~25年度のグループ中期経営戦略を策定した。コロナ禍が世界規模で収束に向かうなか、主力の航空事業を中心に収益を拡大しながら非航空事業を強化し、双方の事業間で利用者の回遊性を高めることで、30年に向かう成長軌道に乗せる。23年度に営業利益1200億円、純利益630億円、25年度に過去最高の営業利益2000億円、純利益1220億円を目指し、まずはコロナ禍前に掲げていた目標水準に戻す。

 経営戦略は、3つの航空ブランドの最適化と貨物事業の拡大による航空事業の利益最大化、非航空事業の収益領域の拡大、ANA経済圏の拡大の3本柱。国際旅客事業では23年度下期にエアージャパンが就航することで3ブランド展開となり、ビジネス、レジャー、訪日客を幅広くカバーしていく。国内線旅客事業では全日空とピーチ・アビエーションの連携を深め、収益性の高いネットワークを構築する。

 グループにおける23年度の旅客需要予測は、国際線が19年度比70%、国内線が95~100%。25年度には市場全体で国際線・国内線ともコロナ禍前に戻ると想定している。

 非航空事業の強化については25年度にANA X、全日空商事など主要7社で売上高4000億円、営業利益240億円を目指す。旅行・商社など従来の中核事業の拡大に加えて地域創生事業などを強化し、メタバースやアバターなど新規事業の創出にも投資を続ける。

 航空と非航空事業間の利用者の回遊性を高めるプラットフォーム戦略として、3800万人のマイレージ会員を軸にした新たなスマホアプリや決済手段、ECモールの利用促進を図り、25年度に約400億円の増収効果を生み、約2000億円規模の経済圏を構築する。

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