ふるさと納税、旅や宿泊に高需要 一休が仲介事業参入 飛鳥クルーズも返礼品に
2022.10.10 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/1017_P04-01_R.jpg)
物が返礼品の中心だったふるさと納税で、旅行や宿泊など体験商品を強化する動きが広がっている。高級ホテル・旅館予約サイト運営の一休が宿特化型ふるさと納税サイトを開設し、仲介事業に参入。豪華客船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズは返礼品としてクルーズの提供を開始した。
一休は同社が扱う宿泊施設の中から厳選し、1回の寄付額20万~60万円程度の商品を取りそろえた。割引額6万~18万円程度のクーポンを返礼品としてサイト上で即時発行し、利用者がすぐに一休の宿泊予約サイトで使えるようにした。
主に想定するのは年収2000万円程度の高額納税者だ。返礼品を大量に選択する手間が生じるなど、悩みが寄せられていた。宿側にとっては、紙の宿泊券で出品する場合にかかる発送などの負荷を減らせる。ふるさと納税サイトは乱立しているが、一休は「高級領域は伸びしろがある」(浅田真吾事業部長)として、総合店と一線を画す。
郵船クルーズは横浜と神戸をそれぞれ発着する2泊3日の洋上クルーズを「ふるさとチョイス」に出品した。寄付額は140万円など。同社は出品理由について、地域活性化への貢献に加え、新たな顧客層開拓を挙げる。25年の新造船デビューを控え、存在を周知したい考え。日本工芸会との関係を生かし、人間国宝による希少な伝統工芸作品も返礼品として予定する。「工芸品に興味のある人が乗ってみようと思うきっかけになれば」(同社)
ふるさとチョイスを運営するトラストバンクによると、この3~4年で体験商品とその寄付額が増えている。新型コロナの行動制限がなくなり、今年から来年にかけて、その傾向がいっそう高まるとみている。
【あわせて読みたい】旅行会社と自治体の連携協定増加 新領域に活路、農業やふるさと納税支援も 遊園地内にふるさと納税自販機 相模原市、当日から使えるチケットを返礼品に 東武トップツアーズ、企業版ふるさと納税の新会社 法人営業強みに地域とマッチング
カテゴリ#地域の観光#新着記事
キーワード#クルーズ#新着記事
キーワード#ホテル・旅館#新着記事
アクセスランキング
Ranking
-
釜石市、持続可能な観光でまた称号 日本初のゴールド賞 鍵は地域のマネジメント
-
米国、グローバルエントリープログラムを本格運用へ 東京・大阪の面接会に参加多数
-
6月の客室利用率は前年割れ 閑散期と単価重視が影響
-
ファーイースト・ホスピタリティ、日本で3軒目のホテル運営開始 3倍の2000室に拡大へ
-
日本籍船のディズニークルーズ誕生へ オリエンタルランド参入で市場に活気
-
競争入札と談合 成長領域の落とし穴
-
日本でも金融×旅行の流れ 三井住友カード、外資系OTAと提携
-
ベルトラ、韓国大手OTAと提携 インターパークに訪日商品供給
-
『奏で手のヌフレツン』 壮大な神話のような読了後の満足感
-
ニューカレドニア観光局が休局 情勢不安で打撃 日本の回復も遅く